(その6の続き)
グランドキャニオン空港(小規模だった)に到着し、やれやれと飛行機から降りた。
素晴らしくよく晴れて穏やか。日なたにいると肌が日に焼ける感触。
まだここグランドキャニオンはこの程度で済んでいるが、ラスベガスは40度という予報だった。
グランドキャニオンはラスベガスよりも気温が低いらしい。
トイレに行ってからバスに乗り換えて、ちょっと走ったところにあるレストランで昼食のバフェにありついた。
・・・・う~んマズイってか味が平坦で、お腹を満たすことが最優先て感じだ。
バフェもこの観光プランに含まれているが、元をとろうという気にはなれない。
きっと小型飛行機の恐怖感を乗り切った直後で、食欲が減退しているものと思われる^^;
バフェの後、有名なグランドキャニオンの見学地に行く。
二箇所、なんとかポイントへ行ったりしたが、忘れた。
ヤバパイというネーミングにインパクトがあり(個人的に^^;)、なんとかビレッジにも寄ったが、ごっちゃになっている。
これは確かヤバパイポイントだと思う。展望台のある小屋みたいなのがあり、お土産物を売っていたり、何億年も前の石が展示されていたりする。(17億年)
グランドキャニオンは世界七不思議のひとつに挙げられており、(エジプトのミイラと並ぶ)渓谷の底にある(地層の最下層)石は、調査の結果、何億年も前のものだとわかったらしい。
宇宙から唯一見える地形らしいので、きっと地球がぱっくり口を開けているように見えるんだろうな~と思った。
ほんと不思議な地形。遠近感が全くつかなくなってきて、平面みたいに感じることもある。
飛行機到着からずっと一緒についてくれているガイドさん(日本語・英語両方を駆使)が要所要所で面白い話をしてくれる。
日本人には日本語、外国人には英語で。慣れているのでスムーズ。
グランドキャニオンの景色を写真で撮るときは、あんまりはじに寄らないようにと言われた。
鉄製の柵はあるけれど、寄りかかったりしないように。ここグランドキャニオンでは毎年、年間で10人は下へ落ちていると言った。
ものすご~く高い崖なので、落ちてから下へ到達するまで一瞬で、10秒くらいだという。そしてカラダはバラバラになる、と言った。
そうなったら大変だからなるべくはじには寄らないようにとさらっとおっしゃる。
恐ろしいことをアッサリ言われるとけっこう怖いっす☆バラバラ・・・って(ごくり)。
完全な日本人なのに、ガイドさんは大昔の映画「ベスト・キッド」のパット・モリタっぽい(雰囲気限定で^^;)。
ひょうひょうとして親しみがあり、さらっと突き放す。何人もの人と出会い、一瞬の時間を共有した後、たくさんの別れを経験している人が身につける雰囲気だろうか。
アメリカで一定期間以上暮らす人はなんとなく国籍不明な感じ(つまり怪しさ満開)が漂う気がする。
全然関係ないほかの一般客が、辺りに住み着いているだろうリスにエサをやっているのに気付くと英語で注意し始めた。
リスは観光客相手にえさをねだるのに慣れていて、人間のひざに平気でのりあげ、手から直接エサを食べている。人間の方はリスがかわいくてなでたりしている。
「ああやってエサをやっているが、あのリスたちはみんな病気を持っているので、手をかまれると傷口から感染して大変なことになる。死んでしまったりするから危険なのに、いくら注意してもエサをやる人は後を絶たない」
ガイドさんは言った。注意された外国人は、注意された瞬間はやめたが、数秒後にはまたエサをあげていた。
連れの女性もリスにまとわりつかれて嬉しそうにエサをあげている。
その光景を寂しそうにみつめてからパット・モリタはその場を立ち去った。
ずっとああいう観光客に会う度に注意しているのかな、と思った。
私がガイドさんだったら、あんな風に注意できるだろうか。
世界遺産に傷つけているところに遭遇したら、そりゃ注意できるだろうけど。
正しいことをしても逆上され、殺されたりする日本。(悪いことをしている人を注意して逆ギレした相手にケガさせられたり殺されたり)
観てみぬふりが多い日本ではこんなことができる人が何人いるかしら。(←エサ程度とでは比較にならないかもしれないが)
(ちなみに私は盗撮していたヤツを問い詰めたことがあるが、しらばっくれられた。(常習っぽかった)
近くにある交番・公安はいつも閉まっているか人がいないのでどうにもできなかった。
ある被害に遭ったとき、警察を呼んでも、自分が悪い・不注意だと軽く扱われた。
こういうことが続くと、日本ってどうなってんの?とか思って凹む。)
この初老のおじさんガイド(若いかもしれんが^^;)、なぜか日本にいる同世代の人よりはエネルギーに満ちている気がしてしまう。
いくらラスベガスよりはましとはいえ、日なたに出るとさすがに暑い。
写真を撮ったあとはさっと日陰に入りひと息つく。
「こわ~こわ~」と世界遺産に向かって言う相方。
私がちょっとでも崖を見下ろそうとしたり、グランドキャニオンの景色を撮ろうと歩いていくと
「あんさん!あんさんっ!!危ないっ!(怒)」とそのたびに怖い顔で注意してくる。
展望テラスがあるお土産物を売っている小屋でも、手すりにさわろうものなら注意注意。
確かに怖いですけど・・・^^;
ここに来ると高所恐怖症気味の私でも高さにマヒをしているのか思ったより平気だった。
小型飛行機に乗ったら、少々の高さではびくともしないようになったのかもしれない。
お土産におちょこみたいなちいさなグラスをひとつ買った。なんか適当なのがない^^;
見学も終わり、グランドキャニオン空港に到着。ずっと移動のバスを運転してくれた人にチップをね、とパット・モリタに言われる。
こういうチップのタイミングを教えてもらえると有り難い。一人1ドルずつ渡す。
帰りの飛行機は、ほぼ満員の人数。
パイロットの英語での挨拶&注意があったが、英語圏以外の人が多く、賑やかだった。
帰路の途中から静かになったな~と思ったらほとんどの人がうつらうつらしていた。^▽^;
操縦席を観ると、沈む太陽と直面している為、操縦席の前のガラスに黒い紙を貼って太陽光を遮っている。自慢のパイロット・サングラスでもダメなんかい!
まぶしくて目をつぶった為にぐらり、とかないようにしてくれよ~と思いつつ私も夢の中へフライトした。
よく晴れた無風状態の中、なんとも贅沢なフライトだった。
(その8へ続く)※「その8」は、ラスベガスへ戻り「バリーズ」ホテルのバフェ(夕食)に~。