今月の10日と昨日(14日)、いつも行く大型スーパーに行ったら、お盆の商品が山積みだった。
私はへーぜんと通り過ぎるが、東京のお盆は地方より一ヶ月早いのだ。
社会人になってすぐくらいの時、友人の家に泊まりに行った日がそうで、一緒にお盆をさせてもらったことがあった。
とはいえ、その家は分家だったので仏壇がなく、正式ではないらしかった。
近くに住む親戚一家と一緒に庭でバーベキューをして、焚き火を焚き、その上をぴょんとまたぐというものが儀式らしい。
その焚き火の火が、昼間にお墓参りに行ってもらってきた火だという。
(もちろんバーベキューの火は違う^^;)
こちらではお墓まで遠いことが多いため、朝からあるいは昼間に墓参りするのがほとんどらしい。
ぴょんと焚き火を飛び越えた時にありがとうと言われたがいえいえ家族でない私ですがいいのですかと申し訳なく思った。
私の実家では毎年8月の13日から15日にかけてをお盆といい、お墓まいりをしていた。
夕方から夜にかけてちょうちんを持ってお墓参りに行くのだ。
うちにあるちょうちんは先祖代々に伝わるもので、もう何百年も前のもの。
正面には名字が達筆な筆文字で書かれていて、中にロウソクを立て火を灯すと「ひかえおろう!」という雰囲気だ。
ろうそくとお線香とお墓に供える花とハスの葉っぱ、そしてきゅうりとナスを細かく刻んだものも持っていく。
各家庭によって、ナスやきゅうりに棒を差して、馬のようにして供えているところもある。
うちの方では、お墓参りは歩いていくのが当たり前みたいなところがあって、同じ市内にあるお寺さんへは30分くらいかけて歩いて行った。
鬱蒼とした山がこの日ばかりはロウソクの明々とした光に照らされて、生気が溢れているように感じられた。
お墓に着いたら、ロウソクやお線香に火を灯してお花を飾り、お墓の前にハスの葉を敷いてその上にナスやきゅうりを載せる。
うちは本家なので、お墓参りに行くともうすでに誰かがお参りに来てくれていることが多い。
ロウソクの火がついているときもあったし、消えているときもあった。
お水をかけてお参りすると、太いロウソクにお墓の火を移すとちょうちんの出番。
帰りにお寺の本堂に寄ってからまたふらふらと歩きながら帰る。
家に着くと、庭にある大きな平たい石に新しいロウソクにちょうちんの火を灯して立てておくのが決まり。
家の仏壇にもちょうちんの火を灯す。
この火は、「亡くなったご先祖様が還ってきましたよ」というしるし。
お墓参りに行って、ご先祖様を家に連れて帰ってくるのがちょうちんの火を持った主の役目である。
小さい頃は、ちょうちんを持った父がおじいちゃんおばあちゃんを背負ってくるんだと思っていた。
そしてロウソクの火がご先祖様達の霊魂なんだと信じて疑わなかった。
そのご先祖様達は15日になるとまたお墓に戻っていくのだとも聞かされた。
確かまたその火を持ってお墓かお寺に行かなければならないというのもあったような気がしたが忘れてしまった^^;
(父か母が行っていたような・・・うろ覚え~^^;お坊さんがお経をあげに来たりもするし・・・)
友人の家で焚かれた焚き火には「送り火」という意味合いがあったのかもしれない。
こちらに出てきてからの帰省ラッシュに懲りた私は滅多にお盆に帰らない。
時期をずらしてひっそりと帰ってお墓参りをしたりしなかったりで、ずいぶんお盆の儀式や意味合いを忘れてしまった。
昔からの行いにはちゃんとした意味があるのだから大事にしたいとは思うのだが、なかなか難しい。
でもお盆って地方の風習によって違ったりするので、それを知るのも興味深いような気がする。
7月の今はまさにここら辺りでは、お盆の真っ只中なんだろうけどスルーで申し訳ない感じがちょっとする。