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西の魔女が死んだ


レビュー

西の魔女が死んだ

サイト友達のオススメの本「西の魔女が死んだ」(新潮文庫:梨木香歩)

これは小説ですが、まるで童話や絵本を読んでいるような不思議な感覚になりました。

そして読んでいるあいだじゅうずっとなのですが、なぜかイギリスのガーデニングがずっと頭の中に浮かんでいました。

この本を読み終わってからしばらくした後に、たまたま「ターシャ」の本に出会いました。

頭に浮かんでいたものがそのまま写真になっているかのようでとても驚きました。

ターシャの家

ターシャの庭づくり

この2冊を読んでからまた本を引っ張り出してきて読みました。

そして大きな勘違いをしていたことに気がついたのです。

「西の魔女が死んだ」の舞台は日本だったのですねー。

私は主人公のまいは、不登校の間におばあちゃんの実家であるイギリスの家に行ったと思っていたのです。

日本の、交通の不便な片田舎の一軒家でひとりで暮らすお祖母ちゃん(西の魔女)の暮らしは、日本の暮らしと全く異なる描写です。

どこにいても暮らしというのは大事で、自分しだいでかたちづくることができるのだなあと思い、その暮らしのひとつひとつがいとおしく感じられました。

小説なんだけど、その生活の描写が丁寧で、絵本のように感じられます。

不登校だったまいが、生活のリズムを規則正しく戻していく様子と、自分の迷いや悩みが少しずつ整理され、強くなっていく様子が気持ちよく感じられました。

自然があるということ、自然と一緒に暮らすということの素敵さにも気づきました。

そして生活やルールというものがこんなに大事なことだったのかと思いました。

自分らしい生き方を続けていくことは心の強さを持っていくことなのかもしれない。

物語は静かに進み、静かな愛に溢れて終わります。

愛情というものは目には見えないものですが、じわっと伝わってきます。

手元に置いて何度も読み返したい本の一冊です。


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