あっつー!今日も暑い暑い。じりじりと肌が焼けるようだった。
「眠れない夜 風が窓を叩き 手招きして 誘い水をまく」
暑い夏。特に蒸し暑い熱気のこもる夜になると思い出す。
あれは幼い頃に観たテレビのCMだった。
何かのドリンクだっただろうか。
「暑くて眠れない夜が続いて体力が落ちるけれど、これを飲めば大丈夫」
そんなコンセプトだったのかもしれない。
夏の夜、お風呂あがりの気だるさの中、タオルケットにくるまるとその唄が聴こえてきた。
リズムといい、詩の内容といい、声のやるせなさといい、なぜか衝撃だった。
季節感と空気感がぴったり合っていたからだろうか。
詩の内容がどれほど大切なものかそれで初めて知った。
と同時に、ヒトの声が楽器になるんだとも思った。
声の音色が自分の中の何かに響いてきたのかもしれない。
強烈な夏のイメージのひとつとして、ずっと忘れられないフレーズだ。