カーテンを縫い始めた。
縫い物や編み物は、始めるまではおっくうである。
しかし一旦始めてしまうとあら不思議、いつのまにかハマっている。
ひと目ひと目、編んだり縫ったりする時は無心になるのだ。
手先に集中しているのに、頭の中ではいろんなことが駆け巡っている。
不思議な感覚。
イライラしていても、だんだん落ち着いてくる。
手と頭はバラバラに動いているのがいいのかもしれない。
ワタシは不器用なので、縫い目はすごく汚い。
真っ直ぐでなくても、ひきつっていてもいいのだ。
たとえ布がひん曲がってしまっても。
去年の夏用にと思って縫ったカーテンが窓にぶら下がっている。
あきらかに不出来なカーテンだ。
近くで見るとすさまじい。
でもいいのだ。愛着があるし、味もある。
頭の中のもやもやも、お腹の中のぐちゃぐちゃも全部縫いこまれている。
完成した時、そしてそれをみるたび、気持ちがすっきり。
溜め込んでいた何かをちくちくと吐き出していたのかもしれない。