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朱色の月


 毎週土曜日の夕方は、週に一度の買い出しの時だ。
 相方はギャンブル好きである。
 毎週土日はアサイチからラストまで机の前から離れない。
 いつも全レースが終了してから買い物へ行くのだ。
 その帰りに月を観た。
 月は左上がちょっと欠けて、空にひっかかっているようにみえた。
 空の低い位置にうっすらと怪しげに存在するそれは赤く濁っていた。
 「うーわーこえ~!あの色はなんだよ。怖すぎだよ~。」
 と肝を冷やしていたら、相方も同じく月を観て気味悪がっていた。
 誰かがどこかで血を流していると錯覚しそうなほど不気味だった。
 黄金色に輝いている満月や、冴えた銀色の月が好きなのに。


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