« リセットする方法 | メイン | 五感に頼る »

青い日記帳 TOP > 旅行 > 国内 >

イケメン医師との出会い~北の大地~


さて続きである。(3月23日の日記の)

イカやホタテやあまえびは新鮮な生のものなら大丈夫。

火を通したものはなぜかダメで、決まってかゆくなった。

厄介な身体だな~と思いつつ、共存するしかない。

制限されたなかで自分を納得させていくしかないのだ。

私の世界に海老は存在しない。イカやホタテの天ぷらもない。


痒さは痛みとは違う種類の苦痛だ。

永遠に終らないような錯覚に襲われ、気がヘンになりそうになる。

それを避けるためなら海老のない世界は、なんてことはない。


ヤンエグとの出会い(3/23参照)から数年。友人と一緒に2泊3日の北海道スキーツアーに参加。

行き先はルスツかニセコかは忘れてしまったが宿は地元の人が経営している小さいペンション。


朝早く羽田から出発して宿に着いたのが夕方。近くでナイターができると聞き、行くことにした。

夕食を食べてからなら宿の人がスキー場まで送ってくれるというのでそれに甘えることに。

帰りは時間がわからないので、スキー場から出ているバスで帰ることにした。

着いたその日に滑れるなんてラッキーだねと話しながら夕食をとった。

イカとホタテのお刺身の小鉢がついていた。北海道だね~と言いながら喜んで食べた。

とろりとして甘かった。北海道のものは新鮮。そう信じて疑わなかった。

夕食後、ナイターへ。スキー場のロッジの前でポーズを決めて写真を撮った。

今思えば、スキーの写真はこれしかない。・・・2泊3日のスキー旅行なのに。

帰りのバスの停留所へ行き、待っていると背中をゾクゾクと悪寒が走った。

「あれ?風邪でもひいたかな」と思っているうちに身体がガクガクと震え始めた。

ヒューヒューという音が出て呼吸をするのがやっとの状態。目もかすんできた。

なんとかバスに横になって乗り込んで宿まで行くことになった。

びっくりした宿の人に、私とつきあいの長い友人が夕食のイカとホタテの刺身にあたったらしいと言ってくれた。

他の人は大丈夫なのにという宿の人に友人が彼女はエビアレルギーなんですと答えた。

それを聞いてペンションの人がどこかに消えた。

私は水を飲んだりしていたが、どんどん症状がひどくなったので友人が病院はどこかと宿の人に聞いてくれた。

救急車のサイレンの音が近くなり、救急隊員の人が迎えに来てくれた。

私が運び出される時、ちらっと目に入ったのはペンションの人が食堂でお酒を飲んでいる姿だった。

お酒を飲んだから車を出せないという理由づけのためだったらしい。

救急車に乗せられて着いたのは大きな総合病院だった。呼吸も浅く視界も狭く身体中が熱かった。

救急車からストレッチャーに乗せられ、人気のない病院内へ入ったときブルーのシャツに白衣をひっかけただけの人が近づいてきた。

「どーしたのこのコ」「・・・にあたったようです」「・・・」「・・・」と小難しいやりとり(たぶん専門用語だろう)が歩きながら続いた。

「ふ~んよっぽど強かったんだねーこの反応が出るってことは」と私の顔を覗き込んで言った。

そして気付いた。・・・アナタかなりのイケメンではないですか!!!

普通に暮らしていても出会える確率が低いほどのイケメン度。しかも若い。

こんな北の大地で、しかもこんな状況で出会えるなんて、ラッキー♪

もしかしたらこれって、運命の出会い~~~!? ←アホ

と息も絶え絶えになりながら思い、舞い上がっていた私。

「ねえ、ちょっと」イケメンが言う。「お腹めくって診ていいかな?」

それまで私の顔や手、首などを診ていたイケメン。「・・・?ハイ」答えた私。

服をめくると彼は言った。「うっわ~!!すげ~!こんなになるんだぁー!!!これはつらいでしょ。」

はははいぃ!?何かありましたか私のハラ!もしや三段にでもなっていました!?あたふたして声も出ず。

(世界地図や牛の模様ばりに真っ赤で分厚い斑点が広がっていたらしい。)

「すぐラクになるからね。腫れは何日かひかないと思うけど・・・。今日って何先生?」

前半を私に、後半のセリフを看護士さんに向かって言い、宿直の先生だろう名前を聞いて安心したイケメンはさわやかに去っていった。

処置室で待っていた先生はなんてことはない(←失礼^^;)普通の人。

一晩中でっかい点滴液を何本も入れられた。何リットル身体に入ったのか考えるだけで気持ち悪い。

朝になると呼吸がラクになったので点滴スタンドに点滴液をかけてトイレに行った。

ふ~やれやれと手を洗い、部屋に戻ろうとしたが、見慣れない人が鏡に写っていた。

「?」と思ってよく見るとタコ八郎さんが覗き込んでいる。

首をかしげると、向こうも首をかしげていた。・・・!!!そうそれは私。

・・・百年の恋も冷めるって・・・タコさんには悪いけどこの顔じゃ恋なんて始まりません。

その日の午後、私は退院した。病院では食事を抜かれ(病院側が忘れたらしい^^;)、イケメン医師にも会えなかった。

結局スキーもできず翌日東京に戻った。その後しばらく顔の腫れはひかなかった。

会社の同期に「太った?」と聞かれ、わけを話すたびに同情されたり失笑をかった。

「何しに行ったの?」と笑いをこらえながら言われたこともある。ほんとだよね。私もそう思う。

それ以来、イカとホタテは食べていない。北海道には何度も行ったがなぜか冬には行っていない。


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://xs22.xsrv.jp/mt/mt-tb.cgi/5824

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)



カテゴリー