(その10の続き)
ベネチアンの部屋に戻り、ラスベガス現地の旅行会社の連絡先に電話する。
強風の為、今夜のオプション(アポロナイトフライト)は中止だと言われた。今夜の予定は白紙に。
あの強風じゃあ飛びますよと言われてもこちらから謹んでお断りしていたわ。
さてどうするよ。
とりあえず、夕暮れてきたのでさっき通ったTI(旧トレジャーアイランド)ホテルに行くことにした。
有名な海賊ショー(無料)を観るためだ。
先ほどよりは風がおさまったような気がしないではない。
歩道橋の上で見ると、海賊ショーが行われるだろう場所に大勢の人が集まっている様子が見えた。
!!!と見ているうちに、人のかたまりがぞろぞろと歩いてくる。開演時間直前なのに。
ショーが行われる場所に来てみると、案の定中止らしい。人がまばら。
中止だとか、何時のはやるだとか何のアクションもない。
未練は残るがここまで人がいなくて、風が強ければもうないだろう。
さてどうしようか。今夜の夕食だって何も決めていない。
思わずできた時間。明日は早々と帰らなければならない。
タイム・リミットはあと数時間。することはひとつ!
・・・カジノで遊ぶ。これっきゃない(←死語)
部屋で仮眠してから本腰入れてホテルのカジノにレッツらゴー!
週末のラスベガス100周年のお誕生日祝いで増えた観光客もちょっと減り、落ち着いた感じでカジノができた。
ベラッジオとウィンのカジノは多分盛況だろうけど。
相変わらずテーブルには着かず、もっぱらスロットだけをする私と相方。
「オールイン・運命の愛」で観たように、カードをやりたかった私だが初心者だしということで今回はやめておいた。
ディーラーさんを観て、特に一緒にやりたいと思える人がいなかったからでもあるが^^;
テーブルごとに、なんらかの国の名前のプレートが掲げられていたりするが、あれって何?
もしかして「言語OK」とかの表示だろうか?
思いっきり余談だけれど、ラスベガスの空港に到着して例の入国審査(指紋&顔写真撮影)のとき、案内や説明の表記に日本語がなかった。
中国語と韓国語はあるのに。
もしかして日本って嫌われ者?とか被害妄想気味に思った。けっこう日本人はラスベガスに来ていると思うんだけど。
諸外国が思っているより、英語がわかる日本人って少ないぜ。韓国の人のほうがよっぽど英語ができるんじゃなかろうか。
次回、カジノに行く機会があったらテーブルについてみたいなと思った。
スロットやテレビゲームに興じる私と相方。美脚のおねえさんが「飲み物はいかが?」と聞いてくれる。
初日や2日目には全然聞いてもらえなかったが、だいぶ私たちがカジノに馴染んだのか、服装がきちんとしたからなのか3日目からは聞いてくれるようになった。
旅行者ルック(軽装・ウォーキングシューズ・肩掛けバッグorウエストポーチ)では飲み物のサービスもしにくいのかもしれない。
一応の敬意を払い、よそ行きやディナー対応の格好でカジノにいると自分も気持ちがいい。
ラスベガスでは結婚式が多く行われるので、パーティードレスやウエディングドレスの人が普通に歩いている。
平気でお茶や食事をし。カジノでも普通にスロットしていたり、テーブルについてカードをしていたりする。
ここではみんな気軽にお祝いを言ったり、誉めたりする。アメリカってみんなそうなのかな。すごくいいことだと思った。
さすがに着物やチマチョゴリの人は見かけなかったが、アバーヤを被ったり、インドのきれいな民族衣装を着た女性が歩いていてとても綺麗だなぁと思った。
私も素敵な人やモノには素敵だと言ったり、賞賛したい性格なので、ラスベガスは好きかも☆
さてカジノ、各ホテルにあるのかは定かではないが、「商品が車」のスロット。ベネチアンはBMW。
そういえば、件の友人がこんなことを教えてくれた。
「カジノへ行く時はパスポートを忘れずに。高額配当が出ても身分証明が出来なければもらえないのよ」
「そしてお化粧は絶対にしていった方がいいよ。車とか当たったら写真を撮られてずっとホテルに飾られるから。洋服も手抜きは厳禁よ~☆」
確かに。ゲットした人はもれなく写真が撮られ、名前が残される。目の前にその写真があった。
ゲットした人の写真には日付が入っていた。2002年だった。3年も前かよ
車をゲットしたラッキーな人は女性で、まるで近所から来たような超カジュアルな装いと顔だった^^;
残念ながら私と相方には、パスポートも化粧直しも必要になる事態はやってこなかった。ちぇっ☆
もう車のはやめだと引き上げるとき、バウチャーが不具合を起こし、出てこなかった。
コールボタンを押すが誰も来ず。ランプが光り、音が鳴る。席を立ってスタッフを呼びに行った。
マイケル・ジャクソンのお母さんを若くしたような人をつかまえてきてバウチャーを出してもらった。
キーを使い、機械を開けて中を見たが、レシートのような感じだった。紙が折りたたまれて不具合を起こしていたようだ。
白紙のバウチャーが私の手に残った。これはお土産に持ち帰ろっと♪と思った。
その後相方があるスロットをしていて、払い戻しが全てゲーム用のコインだったとき、途中でコインが空になってしまった。
今現在、ラスベガスのカジノでは現金のお札やコインが投入できるので、わざわざゲーム用のメタルコインでやる人や機会が少ない。
一昔前はメダル用のでっかいカップに入れたメダルをじゃらじゃらさせてホテルを渡り歩いていたらしいが今は少ないのではないだろうか。
払い戻しはほとんどが紙(バウチャー)でホテル名と金額とバーコード。再び機会に挿入すればゲームができるようになっていてとても便利。
しかしカジノの醍醐味を味わいたい相方は、わざわざメダル対応の機種でプレイしていたのであった。
カジノのスタッフを呼ぶランプとコール音が鳴り響いているが、誰も来る気配がない。
スロットから現金を回収しているチームや警備員は忙しそうだがあきらかにスタッフではないし、声をかけたらしょっぴかれそうだ。
仕方がないと相方はスタッフを呼びに行った。しばらくして頼りなさそうなスタッフが来て、対応してくれた。
ふ~やれやれ今日はついているのかついていないのかわからないなーと思った。
気をとりなおして他のスロットをしていると、またまた不具合が☆払い戻しの数字が途中でストップ。
呼んでもなかなかスタッフも来ない。この時間、いや今日はスタッフが手薄なのか?とも思った。
相方は遠くまで行き、スタッフを呼んできた。しかしそのスタッフ、今までと違って大物そうなお方だった。
シャキール・オニールみたいな体格に、きっちりとしたダーク・スーツに身を包み、雰囲気にはなんとなく威厳が感じられた。
相方は不具合のある機械を指差し、彼がそれを見ると笑顔になり鷹揚に頷いた。「大丈夫、心配しないで」というように相方の肩に優しく手をかけた。
フロアにいた女性スタッフが来て(さっきの女性とは違うがよく似ている)、キーで機械を開けて対処する。
その際に一緒にいた彼を見て驚いた後、首を横に振りながらいたずらっぽい笑顔を浮かべた。
「ジョージ(うろ覚え、彼のファースト・ネーム)あなたがこんなことを!?全く困ったわねぇ。」とつぶやき、嬉しそうに機械をいじった。
このお人よしさん、というような朗らかな感じで機械をいじり、はいこれで大丈夫ですよと笑顔で対応してくれた。
私と相方がありがとうございますと言うと、シャキールはにこにこと微笑み、いいんですよさあ楽しんでくださいねとばかりに肩をぽんとたたいて去っていった。
ウィンのフェラーリにいたエディ・マーフィーもそうだが、黒人の人はソフト・タッチが一般的なのだろうかと思った。
しかしちっとも嫌じゃない。かえって親愛の情というか、大切に扱われているような気がするのが不思議だ。
外国人は身体に触れられることを異常に嫌うと聞いていたのに、ちょっと意外だった。
東洋人は若くみえるというが、まさか子供扱いされているんではなかろうか。
カジノは21歳以下は厳禁だから、それ以上だとは思われているだろうけれども・・・。
しかしチップを払わなかったのに親切にされるとなんだか悪いなと思ってしまう。
最終日にしてそう思う自分にちょっと驚いた。この気持ち、いいのか悪いのか・・。
複雑な気持ちだった。
夜になったので散歩しようということになり、先日も行ったベラッジオの噴水を観に行った。
友人に強力プッシュされた時間ではなく、かなり早い時間のショーを観た。
音楽もショーの内容も時間ごとに異なっている。ずっと見続けていてもあきないだろうなと思った。
目の前で観ると、バシュッ!とかバーン!とか、結構大きな音がするので日本人なら花火を見ている感覚かもしれないと思った。
いつかまたこのショーが、お薦めの回のショーを観ることができるかな、とちょっとしんみりした。
美しい物を見ると、ちょっと哀しくなるのは年をとった証拠だろうか。
その儚さがせつなくなるのよさ。
(その12へ続く)※「その12」は夕食代わりのお夜食と、帰国日のラスベガス空港のお話をば☆