博士の愛した数式
←こないだ出た文庫版。安いし、かさばらないし、読みやすいし、いいこと尽くめ。
私は「博士の愛した数式」を読んでいる。
2004年本屋大賞を受賞したそれだ。
全国書店員が選んだいちばん!読んで欲しい本というから、
「どれどれ、そうまでいうなら買ってやろうじゃないの(上から目線)」と
まんまと積み上げられていたいちばん上からとった。
(意外にも私は2段目3段目からとるようなことはしないで一番前か上からとる)←※余計な情報
うちへ帰ってぺらりと開いて後悔した。ハードカバーで買ってやったのに…。
わたくし、大の数学嫌い。
しかしこの物語の重要かつ大半の紙面を割いているキーアイテム(といっていいよね?)は
こ難しい数式の数々である。
おまけに、いや最も大切な登場人物となる「博士」とは
大学の数学研究所の教授である。
ゲロゲロ←降参
そうして買ってからしばらくは積ん読リストにデンと陣取っていて、
たま~に罪悪感に苛まれたわたくしが気乗りしないままに手にして
ぺろりぺろりとめくるだけの日々が1年以上続いたのでした。
最初のページにルート記号がすいっと書かれていたのを見て「!!」となり、
頑張って読んでいくうちにやたら小難しい数式があったり、
その世界では有名かもしらんナントカの定理とかの説明があったりするたびに
ぱたりと本を閉じて「見なかったこと」にしていたのです…。
この作者である小川洋子さんて方は芥川賞をとった作家さんで、
とてもすばらしい作家さんなんだと思う。
文章は淡々としていて丁寧で…。でもこの作品で私は初めて読んだ。
超ウルトラスーパースリムソフト上から目線でいうと、
蚊も鳴く負荷もなく だ。←あくまで個人的感想。
私は文章や文体に味わいがある作家さんが好みなので。←フォロー
まぁそんな私がなんでいちいちこの話題を書いたかというと、
この一年以上かけてちびりちびりと高級酒を味わうように読んできた結果、
なんとあと20ページ足らずで読み終わるというところまできていたのだ!!!!
わーぱちぱちぱち。←冷静
なので
一気に読み終えるのがもったいなくって、焦らしてみたのです。自分に。
思えばこの1年、積ん読のレギュラーだったこの本をよくも手離さず、愛でてきたものよ。
まぁ読み終わったら、本棚ではセカチューや蛇ピの次くらいに位置づけると思うが。
(本棚の位置でお気に入り度がわかる)
でもあと20ページで評価が変わるかもしれないし。そうなったら神降臨だけど☆
びっくりしたのはこの作品が映画になったことだった。
しかも演技派のお二人。寺尾聡さんとふかっちゃん。
寺尾さんがこの博士を演じると知って「ヤバイすごく愛しさが感じられるかもしれない」と思った。
abbieさんが映画を観られたそうで、すごく興味がわいた。
原作はそうでもないふつうだけど、映画では抜群にいい!というのってある。
そのパターンでひとつあげるのならばこれ。
この頃の酒井美紀ちゃんはめちゃくちゃ可愛かった。浅田真央ちゃんみたい。カッシーもうつくしかった。
さて、数式の美しい世界に埋没できるのもあと少し。
その終りまでの時間を大切に味わうとしましょうか。
「博士」気に入ったらもう一回初めから読み直してしまうかも。
いいものは何度も読み返したくなるし、リピートに耐える。
何度も読むうちにその良さがわかってくるものもある。
いい本に出会えたときはほんとにうれしくなる。