「赤いスイートピー」の歌詞は深い。っていうか詩的だ。
「春色の汽車に乗って海に連れて行ってよ」
しょっぱなから惹きつける。「春色の汽車」って何色?
季語の役割も果たしていて、聴く人に春の印象を与えてくれる。
・・・これに乗って海に行けるのだから、緑やオレンジではなさげ・・・。
「四月の雨に降られて駅のベンチで二人 他に人影もなくて不意に気まずくなる」
前半は客観的な情景だなあと思う。情景が鮮やかに目に浮かび上がってくる。
後半は空気感が見事に伝わってくる。
「何故あなたが時計をちらっと見るたび 泣きそうな気分になるの」
これは恋する女性なら誰でもわかるんじゃなかろうか。いや男性もか。
イマドキの若い子でも、昔の若い子でも。
恋する気持ちは時代を超えて共感できる感情で永遠に廃れない。
小石初めの恋し始めの、なんともいえないおぼろげな関係が詩のあちこちにうかがえる。
スイートピーも春先に出回る花のひとつ。
フリージアでは違うのねきっと。フリフリの花びらのスイートピーで大当たり。
しかし赤ってめずらしい。ピンクとかは一般的なんだけどなぜに敢えて赤?
スイートピーはただでさえ可愛い花なんだけど、ピンクのそれは可憐なイメージが重なる。
「赤い」としたからには恋心が加わったと考えるべきか。
結局「春色の汽車」って何色なんだろう・・・。